肥満などが原因の2型糖尿病患者は約4割が不眠。
健康な人に比べて2倍になる。
一方で睡眠障害の患者は糖尿病の有病率が高くなる。
人間は寝ると段階的に深い眠りの「ノンレム状態」に入る。
ノンレム睡眠は4段階にわけられ、最も深い眠りである3段階と4段階を「徐波睡眠」と呼ぶ。
その状態が続いた後、徐々に眠りが浅くなっていき、
夢を見るなどの脳が活動する「レム睡眠」の状態になる。
このパターンが1時間半〜2時間の周期となって一晩に4〜5回繰り返される。
睡眠の中でも「徐波睡眠」は重要で、
知覚、思考などをつかさどる大脳皮質を休息させ
熟睡感のある質の高い睡眠がえられる。
この間に血圧や血糖を調節する自律神経(副交感神経)が活発に働くとされる。
ところが糖尿病患者の睡眠状態を確認したところ、 血糖値の高い人ほど「徐波睡眠」の時間が3割程度短くなるなど 睡眠の質が悪化していることがわかった。
睡眠障害の患者は頚動脈の壁が分厚くなり、血管が詰まっており、
動脈硬化を進行させるリスクが高まっていることも明らかになった。
(肥満が原因の場合は睡眠時無呼吸などの病気もありうる)
糖尿病患者の睡眠障害は心筋梗塞や脳卒中を引き起こす早朝高血圧や血糖値の上昇などに繋がることもわかった。
その場合、不眠症の治療として薬などで改善することが早朝高血圧や血糖値の正常化に繋がるとして研究されている。
不眠は自覚症状がない人も多い。
昼間に眠い、疲れやすいなどの症状があれば睡眠障害を疑って欲しい。